研究室一覧

電気電子システムコースでは,いま話題のIoT,人工知能,自動運転をはじめ,半導体,電子デバイス,LSI,画像処理,電力システム,ロボット,医療,高速通信など,急速に発展を続けている分野をカバーしています。本コースでは幅広い専門分野を効率よく学習するため,<物性デバイス・電気エネルギー・電気電子システム・知能電子回路>の4つの専門分野の教育・研究を行っています。

電気電子システムコース紹介動画

 

 

物性デバイス講座

最先端の半導体,光・電子デバイス,デバイス作製プロセスを研究開発する技術分野

Keywords

  • LED・光センサー
  • レーザー光を用いた物質加工・改質
  • 半導体
  • グラフェン
  • 半導体電子デバイス
  • プラズマエレクトロニクス

 

直井・富田・高島研究室

【次世代LED・光センサーの開発】

IoT 社会では,その情報収集においてLEDや光センサーは大きな役割を果たします。髪の毛太さの10万分の1程度のナノメートル程度の寸法をもつ構造を使うと,殺菌やウイルス検出・除去といった医療応用に展開できる紫外LEDや,位置や状態が検出可能な様々な小型光センサーへの展開が期待でき,LEDの新しい価値を創造する事ができます。この実現のため,光の波長よりも小さな周期ナノ構造がつくる新しい光現象の開拓とデバイス開発に関する研究を行っています。

【レーザー光を用いた物質加工・改質】

10兆分の1秒という非常に短い時間に強い光を発するレーザー光を用いた,物質の加工や物性を変化させる研究を行っています。対象とする材料は半導体を中心とし,ワイドバンドギャップ半導体へのオーミック電極の作製や,レーザー加工過程の解明に関する研究を行っています。さらに,半導体材料の光物性評価に関する研究も行っています。

 

西野研究室

【各種半導体の結晶成長】

現在の半導体デバイス(トランジスタ,LED,太陽電池など)のさらなる高性能化のためには新しい半導体材料の高品質な結晶作製が必須です。そこで以下のような半導体の結晶成長に取り組んでいます。① 紫外LEDの発光効率向上のため,その基板として使用可能なAlN結晶の成長 ② 次世代パワーデバイス用材料として注目されているGa2O3の簡便な方法による結晶成長 ③ 高効率な太陽電池を目指した,シリサイド(珪化物)系半導体の結晶成長

 

永瀬・大野研究室

【ナノカーボン材料・グラフェンの研究】

我々の研究室では,ナノカーボン材料であるグラフェンの研究を行っています。グラフェンは2010年にノーベル物理学賞の対象となったナノ材料で,史上最速の電子材料,地上最強の構造材料として知られ,非常に魅力的な素材です。当研究室では,SiC基板上に大面積・単結晶グラフェンを作製する技術を確立し,バイオデバイスやテラヘルツデバイスといったポストシリコンデバイスの研究開発を行っています。

 

川上研究室

【半導体プラズマエレクトロニクスとライフサイエンスへの応用】

プラズマエレクトロニクスは,電気電子材料や電子デバイスの作製プロセスにおいて欠かせない技術です。プラズマ源の開発だけでなく,新規機能性材料の開発や電子デバイスの性能向上に向けた研究を行っています。また環境浄化や再生可能エネルギー創成のために,プラズモン誘起型光触媒や光触媒型太陽電池の開発研究も行っています。更にLEDを併用し,殺菌・抗菌,鮮度保持,植物生育といったライフサイエンスへの応用研究も展開しています。

 

 

電気エネルギー講座

電気エネルギーの発生・輸送と動力へのエネルギー変換・利用法に関する分野

Keywords

  • モータ
  • ロボット
  • 電気自動車
  • パワーエレクトロニクス
  • クリーンエネルギー
  • 電磁波センシング技術
  • 設備診断技術
  • 電力システム

 

川田研究室

【電力供給,超電導磁気浮上式鉄道を支える設備診断技術】

わたしたちの身の回りにあふれる電気・電子回路には,電流が流れる部分(導体)と,電流を流さないようにする部分(絶縁体)があります。回路を小さくしたり,回路に高い電圧をかけたりすると,導体間に高電界が生じるため,高電界下でも使える絶縁体が必要となります。また,我々の生活を支えている送電線や変電所などの電力設備や,現在、東京と名古屋との間で運転が計画されている超電導磁気浮上式鉄道の設備にも絶縁体が利用されています。私たちの研究室では電力設備,超電導磁気浮上式鉄道に用いられている絶縁体の劣化を診断するための電磁波センシング技術の研究を進めています。

 

下村・寺西研究室

【プラズマやパルスパワー技術の応用】

放電や高電圧により発生するプラズマやパルスパワーの技術は様々な分野で活用できます。プラスチックなどの材料表面に特別な機能を持たせたり,殺菌や脱色をしたりできます。またオゾンを生成して水が使えないときのドライ洗浄や捨てられた電子回路基板から貴金属などの貴重な資源を取り出す技術にも利用可能です。私たちの研究室では,これら以外にもプラズマやパルスパワーを使った排ガス処理・水処理などの環境技術,生体への影響の解析,新たながん治療方法やその他の病気の予防・治療技術の開発,バイオマス燃料製造技術の開発等について研究しています。

 

北條研究室

【パワーエレクトロニクス技術を応用した電力システムの研究】

自然エネルギーの利用拡大に期待が寄せられる一方,災害時も含めて社会で必要とされる電気エネルギーを確実かつ効率よく送り届けることが電力システムに求められています。当研究室では,パワーエレクトロニクスを応用した制御技術を中心に,特に,洋上風力発電などで期待されている多端子直流送電や,電気自動車が身近になった近未来の電気エネルギー利用社会を対象として研究を行っています。

 

 

安野・鈴木研究室

【知的な情報処理技術を応用したモノづくり】

我々の身の回りには,加速度センサ,地磁気センサ,GPS,カメラなど,実に様々なセンサがあふれています。また,これらのセンサと通信によって得られる情報を組み合わせることで,自動車の自動運転やロボット遠隔操縦などを実現することができます。私たちの研究室では,情報を知的に処理する技術の研究を通じて,自律型移動ロボットの行動制御やレスキューロボットのモーションコントロール,電動車いすやパワーアシスト装具などの福祉機器の制御,さらには,太陽光発電や風力発電などの出力予測および制御などの研究・開発を続けています。

 

 

電気電子システム講座

電気電子回路を駆使して,対象物(生体や物体)の様々な情報を測定・解析し,対象物の状態を最適にコントロール(制御)するための技術,また高速データ伝送を行うための技術に関連する分野

Keywords

  • 通信システム
  • 制御システム
  • 生体医工学
  • 生体信号処理

 

高田研究室

【情報化社会の要となるディジタル通信技術】

今日,我々は携帯電話やスマートフォン,タブレット端末等を利用して様々な情報をやり取りすることができます。近年では,動画などコンテンツ自体の大容量化に加え,家電やセンサ等の様々な物がインターネットに接続されるIoT時代の到来により、ネットワークでやりとりされるデータ量は爆発的に増加するとともに、インターネットの範囲も海中、宇宙に広がりつつあります。近年の通信データ量の急増に対応するためには、光ファイバ通信網のさらなる大容量化、海中/宇宙で利用される光空間通信技術が必須です。本講座では,アクセス系,幹線系通信の需要増加に応える超大容量長距離光ファイバ通信技術と、移動体水中光無線通信技術の研究を行っています。


位相感応型光増幅の実験


移動体水中光無線通信技術の実験

 

久保研究室

【物作りに欠かせない制御理論】

対象物を思い通りに動かすためには外部からどのような操作を加えたらよいのかを系統的に考えていく学問を制御工学と呼んでいます。制御する対象としては機械的な装置,電気的な装置,化学的な装置などがありますが,さらにそれらが複雑に組み合わされて一つの機能をもつもの(たとえば工場全体など)もあります。そしてその技術は,製品そのものに内蔵されることもあれば,製品を生産するために利用されることもあります。本講座では,制御する対象の特性を数式モデルで表現し,要求される性能を満たす制御をどのように行っていくべきか理論的に探究するとともに,様々な制御システムの解析・設計に関する研究を行っています。

 

芥川・榎本研究室

【電気電子工学と医学のコラボレーション生体医工学】

年々高度化している医療技術ですが,その一翼を担っているのが電気電子工学をはじめとする様々な理工学技術です。健康の維持増進,そしてより安全で身近な医療のために,患者などの利用者にとって少ない負担で,医療従事者にとっても使いやすい診断・治療支援技術の開発が望まれています。本研究室では電気電子工学的なアプローチで,新しい診断・治療支援装置の研究開発を医歯薬学研究部や学外の医療施設と共同で行っています。例えば,いびき・腸音などの生体音や脳波といった生体信号を様々な信号処理技術やAIを用いて検査する方法や,各種センサを用いた飲み込み機能評価装置,循環器評価装置などの研究開発に取り組んでいます。また電気電子工学技術を用いた歯の再生医療に関する研究も行っています。

 

 

知能電子回路講座

電子回路の解析・設計方法やコンピュータ等の知能を持つハードウェアとソフトウェアの効率的な実装技術を研究する分野

Keywords

  • アナログ電子回路
  • 高信頼性LSI設計
  • 情報処理システム
  • 深層学習
  • 脳型コンピュータ
  • カオス

 

四柳研究室

【LSIの高信頼性を保証する検査・設計技術】

集積回路(LSI)の微細化技術の発展により,LSIチップ内の断線や短絡の影響が顕在化しています。それに伴い,故障時のふるまいは複雑になり,検査が製造コストに占める割合が問題となっています。さらに,トランジスタサイズの微細化に物理的限界が近づいていることから,複数のLSIチップを積層する3次元実装技術(3D IC、2.5D IC)などの次世代の集積技術が実用化されていますが,製造ばらつきなどの影響をふまえた上でそれらの検査をいかに効率よく行うかが課題となります。また,近年のIoT,AI技術の進展によりLSIの適用範囲が広がっていることから,より信頼性の高い検査や劣化診断技術,検査容易化設計について研究開発を進めています。

 

西尾・上手研究室

【非線形回路ネットワークを用いた新しい工学アプリケーションの開発】

我々の研究室では,1)発振器やカオス回路を複数結合したときの同期現象,2)非線形解析手法を応用したAI技術(畳込みニューラルネットワーク)の開発,の2本柱で研究を行っています。テーマ1においては,振動現象を発生する非線形回路を様々なネットワークタイプで結合し,これまでに観測されていない新しい同期・協調現象の観察をコンピュータシミュレーションおよび回路実装により発見することが目的です。振動現象の同期は,脳や心臓などの生体細胞の同期モデリングに繋がるほか,通信ネットワークへの応用も期待されています。テーマ2のAI技術の開発では,音声等の時系列信号をまず非線形時系列処理を施すことにより,学習およびテスト精度の向上を目指しています。これらの他にも,アナログ電子回路モデルによる画像処理解析や,鳥や蜂などの集団行動を模擬して作られた群知能アルゴリズムを用いた最適化問題の開発なども行っています。

 

島本・宋・片山研究室

【動画像処理とその解析,LSIの仕様検討からレイアウト設計まで】

現在では,多くの製品がインターネットにつながり情報を共有するような社会が形成されています。このような社会において,共有された情報を効率的に解析し,有効な情報だけをフィードバックすることが必要です。そのためには,端末(エッジ)での情報取得,解析方法が今後は大きな課題となります。当研究室では,これらの課題を解決するために(1)小型かつ省電力な集積回路(LSI)の設計方法や(2)動画像処理に特化した人工知能アーキテクチャの開発の2つをテーマとしています。(1)ではLSIの集積度が向上するに伴い,困難とされる電子回路の設計方法の研究,(2)では次世代の動画像符号化標準となるような基盤の研究,開発を行っています。また,これらの研究成果を応用した海水養殖を支援するためのシステム設計なども行っています。

徳島大学 理工学部理工学科 電気電子システムコース

〒770-8506 徳島市南常三島町 2 丁目 1 番地